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知覚過敏が治らない方へ。ただの「しみる」ではない7つの原因とプロの診断基準

「冷たいお水が、歯にキーンとしみて辛い」 「知覚過敏用の歯磨き粉を使っているのに、一向に良くならない」

 

こうしたお悩みで、当院を訪れる患者様は後を絶ちません。 テレビCMなどの影響で、「歯がしみる=知覚過敏」というイメージが定着していますが、実はここに大きな落とし穴があります。

 

院長である私が、診療現場で痛感していること。それは、「治らない知覚過敏の多くは、実は知覚過敏ではない」という事実です。

 

「しみる」という症状は、あくまで結果に過ぎません。その裏には、初期の虫歯、歯に入った見えないひび、噛み合わせの負担、あるいは詰め物の不具合など、全く別の原因が潜んでいるケースが非常に多いのです。 原因が違えば、いくら高価な歯磨き粉を使っても、症状が改善しないのは当然のことです。

 

この記事では、なかなか治らない「しみる痛み」の正体を突き止めるために、私たちがどのような視点で診断しているのか、そして原因別にどのような対策が必要なのかを、包み隠さずお話しします。 「ただの知覚過敏だろう」と自己判断せず、正しい知識で原因を特定することが、痛みのない生活への最短ルートです。

目次

1. その痛み、本当に知覚過敏?セルフチェックで見極める「危険なサイン」

まずは、ご自身の症状を振り返ってみてください。一般的な知覚過敏は、「冷たいもの」や「歯ブラシ」が当たった瞬間に「キーン」としみ、刺激がなくなれば数秒で治まるのが特徴です。

 

しかし、もし以下のような症状がある場合は、単なる知覚過敏ではなく、治療が必要な別のトラブルが潜んでいる可能性が高いです。

【要注意!危険な痛みのサイン】

  • 何もしていない時でもズキズキと痛む(自発痛)
  • 夜寝ている時やお風呂に入っている時に痛む
  • しみている時間が長く、10秒以上ジーンと残る
  • 冷たいものより、温かいものでしみる
  • 噛んだ時にピリッと痛む、またはジワッと響く
  • 甘いものを食べた時だけ強くしみる

これらのサインは、神経の炎症が進んでいるか、歯そのものにダメージ(ひびや虫歯)があることを示唆しています。様子を見ずに、早めに歯科医院を受診すべき状態です。

2. なぜ歯はしみるのか?知覚過敏のメカニズムを簡単解説

歯の表面は、人体で最も硬い「エナメル質」で守られています。しかし、何らかの原因でエナメル質が削れたり、歯茎が下がったりすると、その内側にある「象牙質(ぞうげしつ)」がむき出しになります。

 

象牙質には、神経につながる無数の小さなトンネル(象牙細管)が通っています。 通常は閉じているこのトンネルが開いてしまうと、冷たい水や風などの刺激がダイレクトに神経に伝わり、「しみる!」という痛みとして感じるようになります。これが知覚過敏の正体です。

 

つまり、治療の基本は「開いてしまったトンネルを塞ぐこと」になります。

3. 治らない時に疑うべき「7つの隠れた原因」

「知覚過敏用のケアをしているのに治らない」 そんな時に私たちが疑うのは、以下の7つの原因です。

① 初期の虫歯(隣接面カリエスなど)

歯と歯の間や、詰め物の下にできた虫歯は、見た目では分かりません。しかし、確実に神経に近づいているため、しみる症状が出ます。「甘いものがしみる」場合は特にこの可能性が高いです。

② 詰め物・被せ物の不適合(隙間・段差)

昔治療した詰め物が劣化して隙間ができたり、接着剤が溶け出したりしていると、そこから刺激が入り込みます。ミクロ単位の隙間でも、神経にとっては大穴が開いているのと同じです。

③ 歯のひび(クラック)・破折

これは肉眼での発見が難しく、レントゲンにも写りにくい厄介な原因です。硬いものを好んで食べる方や、食いしばりのある方に多く見られます。「噛んだ瞬間にピリッとする」のが特徴的なサインです。

④ 噛みしめ・歯ぎしりによる過負荷(咬合性外傷)

無意識のうちに強い力で歯を揺さぶることで、歯の根元がくさび状に欠けたり(くさび状欠損)、神経が過敏になったりします。「朝起きた時に顎が疲れている」「特定の歯だけしみる」という方は要注意です。

⑤ 歯周病・歯肉退縮

歯周病で骨が溶け、歯茎が下がると、エナメル質のない無防備な「歯の根っこ」が露出します。ここは非常にしみやすい部分です。

⑥ 神経の炎症(歯髄炎)

知覚過敏を放置しすぎたり、深い虫歯があったりすると、神経そのものが炎症を起こします。こうなると「しみる」を超えて「ズキズキ痛む」ようになり、神経を取る処置が必要になることもあります。

⑦ 酸蝕歯(さんしょくし)やホワイトニングの影響

酸っぱい飲み物(炭酸、柑橘系)を頻繁に摂取する習慣があると、歯が溶けてしみやすくなります。また、ホワイトニング直後の一時的な知覚過敏もここに含まれます。

4. プロの診断は何が違う?当院の原因特定プロセス

「知覚過敏ですね、様子を見ましょう」で終わらせないために、当院では徹底した原因究明を行います。

  • 問診: 「いつ」「何で」「どこが」「どのように」痛むのかを詳細に伺います。これだけで原因の半分は絞り込めます。
  • 視診・触診: マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)などを使い、肉眼では見えない微細なひびや、詰め物の隙間を確認します。
  • 風・温度刺激検査: 実際に風をかけたり、冷たいものを当てたりして、痛みの反応を見ます。
  • 打診・咬合検査: 歯をコンコンと叩いたり、噛み合わせを見たりして、歯への負担を確認します。

5. 原因別アプローチ!歯科医院でできること・自宅でできること

原因が特定できれば、対策は明確です。

「象牙質の露出」が原因の場合

  • 歯科: 薬剤の塗布(フッ素やコーティング剤)でトンネルを塞ぎます。欠損が大きい場合は、樹脂(レジン)で埋めてカバーします。
  • 自宅: 知覚過敏用の歯磨き粉(硝酸カリウム配合など)を継続使用し、優しく磨くことを心がけます。

「虫歯・詰め物」が原因の場合

  • 歯科: 虫歯を削って治す、または古い詰め物を新しく適合の良いものにやり替えます。

「噛みしめ・ひび」が原因の場合

  • 歯科: 噛み合わせの調整を行い、一部の歯に過度な力がかからないようにします。夜間の歯ぎしり防止用マウスピース(ナイトガード)も非常に有効です。

6. 「しみる」を悪化させない生活習慣のコツ

歯科治療と並行して、ご自宅での習慣を少し変えるだけで、症状は劇的に改善します。

  • 酸性の飲食物をダラダラ摂らない: お酢や炭酸飲料などは歯を溶かします。飲んだ後は水で口をゆすぐ習慣を。
  • ブラッシング圧を見直す: 「ゴシゴシ」ではなく「サラサラ」と磨くイメージで。鉛筆持ちで優しく当てるだけで汚れは落ちます。
  • 食いしばりに気づく: 日中、上下の歯が接触していることに気づいたら、すぐに離すように意識してください(TCH是正)。

7. まとめ|「しみる」はSOS。原因さえ分かれば怖くない

「しみる」という感覚は、体があなたに送っている「ここがおかしいよ!」というSOSサインです。 自己判断で我慢したり、合わないケアを続けたりすることは、問題を先送りしているに過ぎません。

 

もし、草加エリアで「治らない知覚過敏」にお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひラウレア歯科矯正歯科クリニック草加にご相談ください。 私たちは、あなたの「しみる」の本当の原因を突き止め、最短ルートでの解決策をご提案します。 冷たいお水を美味しく飲める、快適な毎日を取り戻しましょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

草加市草加駅東口から徒歩5分の歯医者・歯科
ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加
住所:〒340-0016 埼玉県草加市中央2-2-17-2
TEL:048-951-3210

 

監修者

ラウレア歯科クリニック 院長 伊藤 洋平

伊藤 洋平 | Yohei Ito

明海大学歯学部卒業後、大学病院での研修を経て、複数の医療法人歯科医院にて臨床経験を積む。2017年に「ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加」を開院。地域に密着した“予防重視”の診療を軸に、幅広い世代の患者に寄り添う歯科医療を提供している。

【略歴】

【所属学会】

【資格】

【所属スタディグループ】

【出版・執筆歴】

  • ・平成28(2016)年:デンタルダイヤモンド1月号「他医院で行われたインプラント補綴のリカバリー症例」
  • ・GO会30周年記念誌「埋伏歯をMTMを用いて挺出させた1症例」

【学会発表】

  • 平成26(2014)年:顎咬合学会ポスター発表「セファロ分析 トレースを極める」
  • 平成27(2015)年:顎咬合学会ポスター発表「治療用義歯を用いた上下顎総義歯症例」
  • 平成30(2018)年:第8回ワールドデンタルショー出展セミナー「外傷した上顎前歯部に対しMTMを用いた一症例」

【参加講習会】

  • ・UCLA「インプラント時代におけるピュア・ペリオ」
  • SBC(サージカルベーシックコース)

その他多数

ラウレア歯科矯正歯科クリニック