ブログ

歯医者が怖いあなたへ。「痛みへの不安」を解消するための麻酔の工夫と医院の選び方

「麻酔の注射そのものが痛くて嫌だ」 「何をされるのか分からないまま、口を開けているのが怖い」 「過去に痛い思いをして、どうしても足が向かない」

 

歯科医院に対して、このような苦手意識をお持ちの方は非常に多いものです。

痛みへの恐怖心から受診を先延ばしにし、結果として症状が悪化してしまい、さらに治療が大変になる……そんな悪循環に陥っている患者様を見るたび、胸が痛みます。

 

しかし、院長である私からお伝えしたいのは、「歯科治療=痛みを我慢する場所」ではないということです。

医学の進歩と歯科医師の配慮によって、現在の歯科治療は、皆さんが想像されているよりもずっと快適で、痛みの少ないものへと進化しています。

 

この記事では、私が日々の診療で実践している「痛みに配慮した具体的な工夫」や、患者様ご自身ができる「痛みを減らすための準備」について、包み隠さずお話しします。

この記事が、あなたの「怖い」という気持ちを少しでも和らげるきっかけになれば幸いです。

目次

1. なぜ歯は治療は痛いと感じる?「刺激」と「脳の予測」の関係

「痛くない治療」を目指すためには、まず「痛み」の正体を知る必要があります。

実は、人間が感じる痛みは、患部への物理的な「刺激」だけで決まるわけではありません。そこに「炎症の程度」と「脳の予測(不安)」が組み合わさって、痛みの強弱が決まります。

  • 炎症: 虫歯や歯周病で歯茎が腫れていると、神経が過敏になり、普段なら痛くない程度の弱い刺激でも激痛として感じてしまいます。
  • 脳の予測: 「これから痛いことをされるんだ」と身構えていると、脳は感覚を研ぎ澄まし、わずかな刺激も「痛み」として増幅して受け取ってしまいます。

つまり、痛みを減らすためには、麻酔の技術(刺激の遮断)はもちろんのこと、「患者様の不安や緊張を取り除くこと(脳の予測を変えること)」が同じくらい重要なのです。

私は、いきなり治療を始めることはしません。まずは説明を行い、心の準備が整ってから処置に入ることを鉄則としています。

2. 「チクッ」を極限まで減らす!当院が徹底する麻酔の4ステップ

「麻酔さえ効けば痛くないのは分かるけれど、その麻酔が痛いんです」

これはもっともなご意見です。当院では、麻酔時の痛みを限りなくゼロに近づけるために、以下の工程を徹底しています。

① 感覚を麻痺させる「表面麻酔」

いきなり針を刺すことはありません。まずは歯茎の表面にジェル状の麻酔薬(表面麻酔)を塗り、数分間じっくり待ちます。これにより、針が刺さる瞬間の「チクッ」という感覚をぼやけさせます。粘膜をしっかり乾燥させてから塗るのが、効き目を高めるコツです。

② 「温度」と「注入速度」の管理

冷たい麻酔液が体内に入ると、温度差による刺激痛が生じます。当院では、麻酔液を常に体温と同じくらい(約37度)に温めて保管しています。

さらに、電動注射器を使用し、一定の超低速度でゆっくりと薬液を注入します。手動で急いで入れると圧力で痛みが出ますが、機械制御で圧力を分散させることで、注入時の不快感を大幅に軽減します。

③ 痛みを感じにくい「場所」と「打ち方」

お口の中には「痛みを感じやすい点」と「感じにくい点」があります。解剖学的な知識に基づき、痛点の少ない場所を狙って針を刺入します。また、針は現在流通している中で最も細いものを採用し、粘膜を軽く引っ張って張りを作ることで、針がスッと入るように工夫しています。

「はい、息を吸って〜」と呼吸に合わせて行うのも、痛みを紛らわせるテクニックの一つです。

④ 炎症が強い場合の対処法

ズキズキと痛む急性炎症がある場合、麻酔が効きにくいことがあります。

そんな時は、無理に麻酔をして治療を進めることはしません。まずは鎮痛剤の処方や噛み合わせの調整などで炎症を鎮めることを優先し、後日、麻酔がしっかり効く状態になってから治療を行います。「効かないまま無理やり削る」ことは絶対にありませんのでご安心ください。

3. 恐怖心を消す魔法の言葉は「分かる・選べる・止められる」

治療中の「いつ痛くなるか分からない」「いつ終わるか分からない」という状況は、患者様にとって最大のストレスです。

この「コントロールできない不安」を解消するために、私は「分かる・選べる・止められる」診療を約束しています。

  • 分かる: 「これから風をかけます」「少し響く音がします」「あと3回数えたら終わります」など、次に何が起こるかを必ず事前にお伝えします。
  • 選べる: 「今日は検査だけにしてほしい」「苦手な処置は次回に回したい」など、治療のペースを患者様自身が選べるようにします。
  • 止められる: これが最も大切です。「痛い時や苦しい時は、左手を上げてください。そうすれば必ず手を止めます」とお約束します。

「いざとなったら自分で止められる」という安心感があるだけで、不思議と痛みを感じにくくなるものです。

4. 痛みに敏感な方へのお願い|受診前にできる3つの準備

実は、患者様ご自身のコンディションも麻酔の効きやすさに影響します。受診前には以下の準備をしていただくと、より痛みの少ない治療につながります。

  • 睡眠をしっかりとる: 寝不足や疲労が溜まっていると、痛みに対する閾値(いきち)が下がり、普段より痛みを感じやすくなります。
  • 空腹を避ける: 極度の空腹状態も神経を過敏にします。軽く食事を済ませてからご来院ください。
  • 不安なことは事前に伝える: 問診票やカウンセリングで「過去に麻酔で気分が悪くなったことがある」「痛いのがとにかく苦手」と正直にお伝えください。私たちも、より慎重に対応することができます。

5. よくある疑問を解決!麻酔と痛みに関するQ&A

患者様からよくいただくご質問に、院長として率直にお答えします。

Q. 麻酔が効きにくい体質なのですが、大丈夫でしょうか?

A. 骨の密度や体質によって効きにくい方は確かにいらっしゃいます。しかし、浸潤麻酔(通常の麻酔)だけでなく、伝達麻酔(親知らずの抜歯などで使う広範囲の麻酔)を併用したり、注入位置を変えたりすることで、ほとんどの方に効果を出すことができます。「効いた」と確認できるまで治療は始めませんので、ご安心ください。

Q. 治療が終わった後に痛くなることはありますか?

A. 処置内容によっては、麻酔が切れた後に痛みが出ることがあります。その場合は、事前に予測して「痛みが出る前に飲んでください」と鎮痛剤を処方し、具体的な服用タイミングや食事の注意点をご説明します。

Q. 妊娠中でも麻酔はできますか?

A. 歯科用の局所麻酔は、お腹の赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。ただし、安定期(5〜7ヶ月)以外の治療は応急処置にとどめるなど、慎重に判断します。必ず母子手帳をお持ちになり、ご相談ください。

6. まとめ|「痛くなかった」の積み重ねで、安心できる場所へ

「歯医者は痛い」という過去の記憶やイメージは、言葉での説明だけではなかなか消えません。

だからこそ私たちは、日々の診療で「今日は痛くなかった」「思ったより楽だった」という小さな成功体験を積み重ねていただくことを何より大切にしています。

 

痛みへの配慮は、特別なことではありません。それは医療従事者として当然の「思いやり」の形です。

 

もし、草加エリアで、痛みが怖くて歯科医院へ行けずに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加にご相談ください。

いきなり治療はしません。まずは椅子に座ってお話をするだけ、あるいは簡単な検査だけでも構いません。

あなたの「怖い」という気持ちを受け止め、無理のないペースで、一緒に治療のゴールを目指していきましょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

草加市草加駅東口から徒歩5分の歯医者・歯科
ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加
住所:〒340-0016 埼玉県草加市中央2-2-17-2
TEL:048-951-3210

 

監修者

ラウレア歯科クリニック 院長 伊藤 洋平

伊藤 洋平 | Yohei Ito

明海大学歯学部卒業後、大学病院での研修を経て、複数の医療法人歯科医院にて臨床経験を積む。2017年に「ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加」を開院。地域に密着した“予防重視”の診療を軸に、幅広い世代の患者に寄り添う歯科医療を提供している。

【略歴】

【所属学会】

【資格】

【所属スタディグループ】

【出版・執筆歴】

  • ・平成28(2016)年:デンタルダイヤモンド1月号「他医院で行われたインプラント補綴のリカバリー症例」
  • ・GO会30周年記念誌「埋伏歯をMTMを用いて挺出させた1症例」

【学会発表】

  • 平成26(2014)年:顎咬合学会ポスター発表「セファロ分析 トレースを極める」
  • 平成27(2015)年:顎咬合学会ポスター発表「治療用義歯を用いた上下顎総義歯症例」
  • 平成30(2018)年:第8回ワールドデンタルショー出展セミナー「外傷した上顎前歯部に対しMTMを用いた一症例」

【参加講習会】

  • ・UCLA「インプラント時代におけるピュア・ペリオ」
  • SBC(サージカルベーシックコース)

その他多数

ラウレア歯科矯正歯科クリニック