ブログ

矯正後の「後戻り」はなぜ起こる?せっかく整えた歯並びを一生キープするための正しい知識

みなさま、こんにちは。
ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加、院長の伊藤です。

矯正治療を終えて装置が外れた日、鏡を見て綺麗に並んだご自身の歯に感動されたことでしょう。「長かった治療が終わって、やっと自由に食事ができる!」と晴れやかな気持ちになったかと思います。

しかし、当院には、「過去に別の医院で矯正したけれど、数年経ってまた歯並びがガタガタになってしまった」と、再治療(リカバリー)をご相談にいらっしゃる患者様が少なくありません。

せっかく時間と費用をかけて手に入れた美しい歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」。これは、矯正治療を経験された方なら誰にでも起こり得る現象です。

「どうして後戻りしてしまうの?」「一生この綺麗な歯並びを維持するにはどうすればいいの?」
この記事では、そんな切実な疑問にお答えするため、後戻りが起こるメカニズムと、綺麗な歯並びをキープするための正しい知識、そして日常で気をつけるべきポイントについて、専門家の立場から詳しくお話しします。

 

目次

 

1. なぜ起こる?矯正後の「後戻り」のメカニズム

矯正治療によって綺麗に並んだ歯。実は、装置を外した直後の歯は、周囲の骨や歯茎の組織がまだしっかりと固まっておらず、非常に不安定な状態にあります。

歯は「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような組織を介して顎の骨に植わっています。矯正治療では、この組織に持続的な力をかけて歯を動かすのですが、移動が終わった直後は、歯を新しく支えるための骨がまだスカスカな状態なのです。
また、歯茎の繊維はゴムのように元の位置に戻ろうとする「引っ張る力」を持っています。そのため、何の支えもない状態にしておくと、歯は記憶している元の悪い位置へスルスルと戻ろうとしてしまいます。これが「後戻り」の正体です。

特に、治療を終えてから最初の1年ほどは、最も歯が動きやすく、後戻りのリスクが高い「魔の期間」とも言えます。

 

2. 後戻りを防ぐ最大の鍵「リテーナー(保定装置)」の正しい使い方

この「後戻り」を防ぎ、新しい位置で歯の周囲の骨をしっかりと固める(保定する)ために必要不可欠なのが、「リテーナー」と呼ばれる保定装置です。
矯正治療は、「歯を動かす期間」と「動かした歯を固定する期間(保定期間)」の2つがセットになって、初めて完了するとお考えください。

リテーナーには、取り外し可能な透明のマウスピースタイプや、歯の裏側に細いワイヤーを接着して固定するタイプなどがあります。

【リテーナー装着の重要ルール】

  • 装着時間を守る
    矯正終了後すぐの約1年間は、食事と歯磨きの時間以外、ほぼ1日中(20時間以上)装着していただくのが一般的です。その後、歯の安定具合を見ながら、徐々に「夜寝る時だけ」などへ装着時間を減らしていきます。
  • 自己判断で外さない
    「もう歯並びが綺麗だから大丈夫だろう」と自己判断でリテーナーをサボってしまうと、あっという間に歯は動いてしまいます。一度動いてしまった歯は、リテーナーがはまらなくなり、無理に入れると強い痛みを生じることがあります。
  • 定期検診を受ける
    保定期間中も、リテーナーが正しく合っているか、歯並びに変化がないかをチェックするための定期検診が非常に重要です。必要があれば調整を行います。

 

3. 要注意!日常に潜む「後戻り」を加速させる無意識の癖

リテーナーをしっかり使っていても、日常生活の中の「無意識の悪習癖」が原因で、歯に持続的に強い力が加わり後戻りしてしまうことがあります。

  • 舌の癖
    飲み込むときに舌で前歯を裏側から押す癖(舌突出癖)や、常に舌が低い位置にある(低位舌)と、前歯が外側に押し出され、再び出っ歯や開咬(前歯が噛み合わない状態)になってしまいます。
  • 口呼吸
    鼻ではなく口で呼吸していると、唇を閉じる力が弱まり、外側から歯を押さえる力が失われるため、歯並びが乱れやすくなります。
  • 頬杖・うつぶせ寝
    頭の重み(数キログラム)が毎日同じ方向から顎にかかることで、顎の骨や歯並びに歪みを生じさせます。
  • 歯ぎしり・食いしばり
    就寝中などに非常に強い力が歯にかかるため、歯並びを崩す大きな要因となります。

綺麗な歯並びをキープするためには、こうしたお口周りの筋肉のバランスを崩す癖を自覚し、改善していくことが必要です。当院では、正しい舌の位置や飲み込み方を身につけるトレーニングのアドバイスも行っております。

 

4. 【院長解説】万が一、後戻りしてしまったらどうする?

「リテーナーをサボってしまい、少し歯がズレてきた気がする」と気づいたときは、どうか放置せず、恥ずかしがらずに、一日でも早く歯科医院にご相談ください。

「先生に怒られるかもしれない」と思って通院をためらっている間に、歯はどんどん元の悪い位置へ戻っていってしまいます。
ズレがごくわずかであれば、現在お使いのリテーナーを調整したり、新しい保定装置を作り直したりするだけで対応できることがあります。
しかし、大きく後戻りしてしまった場合は、再度ワイヤーや新しいマウスピースを用いて、本格的な再治療(リカバリー)が必要になることもあります。

私は、患者様がせっかく頑張って手に入れた笑顔が失われてしまうのが、何よりも悲しいと感じます。だからこそ、「ちょっとおかしいな」と思ったら、手遅れになる前にすぐに見せていただきたいのです。

 

5. 一生モノの美しい歯並びをキープするために

矯正治療の本当のゴールは、「装置が外れた日」ではなく、「美しい歯並びを生涯にわたって維持すること」です。
そのためには、治療を終えた後の「保定期間」こそが、最も重要で、最も根気のいる期間だと言っても過言ではありません。

当院では、治療を終えられた患者様へのアフターケアを非常に大切にしています。リテーナーの調整はもちろん、虫歯や歯周病を防ぐための定期的なクリーニングを通じて、患者様のお口の健康を長期的にサポートし続ける「生涯のパートナー」でありたいと考えています。

正しい知識を持ち、適切なケアを続ければ、美しい歯並びはあなたの一生モノの財産になります。一緒に頑張ってキープしていきましょう。

もし、草加で矯正後の後戻りの予防や、歯列矯正の再治療についてのご相談なら、ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加へお任せください。
患者様一人ひとりのお口の状態やライフスタイルに寄り添い、再び自信を持って笑えるようになるための最善のサポートをさせていただきます。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

草加市草加駅東口から徒歩5分の歯医者・歯科
ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加
住所:〒340-0016 埼玉県草加市中央2-2-17-2
TEL:048-951-3210

 

監修者

ラウレア歯科クリニック 院長 伊藤 洋平

伊藤 洋平 | Yohei Ito

明海大学歯学部卒業後、大学病院での研修を経て、複数の医療法人歯科医院にて臨床経験を積む。2017年に「ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加」を開院。地域に密着した“予防重視”の診療を軸に、幅広い世代の患者に寄り添う歯科医療を提供している。

【略歴】

【所属学会】

【資格】

【所属スタディグループ】

【出版・執筆歴】

  • ・平成28(2016)年:デンタルダイヤモンド1月号「他医院で行われたインプラント補綴のリカバリー症例」
  • ・GO会30周年記念誌「埋伏歯をMTMを用いて挺出させた1症例」

【学会発表】

  • 平成26(2014)年:顎咬合学会ポスター発表「セファロ分析 トレースを極める」
  • 平成27(2015)年:顎咬合学会ポスター発表「治療用義歯を用いた上下顎総義歯症例」
  • 平成30(2018)年:第8回ワールドデンタルショー出展セミナー「外傷した上顎前歯部に対しMTMを用いた一症例」

【参加講習会】

  • ・UCLA「インプラント時代におけるピュア・ペリオ」
  • SBC(サージカルベーシックコース)

その他多数

ラウレア歯科矯正歯科クリニック

TAGタグ