ブログ

毎日磨いているのになぜ?「唾液検査」でわかる本当の虫歯リスクとあなたに合った予防法

みなさま、こんにちは。
ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加、院長の伊藤です。

日々の診療の中で、患者様から「先生、私は毎日朝・昼・晩と3回もしっかり歯磨きをしているのに、どうしてすぐに新しい虫歯ができてしまうんでしょうか?」という切実なご相談をいただくことが本当によくあります。
ご自身なりに一生懸命ケアをされているのに、歯医者に通うたびに「また虫歯がありますね」と言われてしまうと、がっかりしてしまいますよね。「自分の歯は生まれつき弱いから仕方がない」と諦めたくなるお気持ちも、とてもよく分かります。

しかし、歯科医師としてまずみなさまにお伝えしたいのは、虫歯になる原因は「歯磨きが下手だから」だけではないということです。
実はお口の中には、目に見えない「虫歯になりやすい要素(リスク)」が人それぞれ異なったバランスで潜んでいます。いくらハブラシを頑張って動かしていても、ご自身の本当のリスクを知らないままでは、原因に合っていない対策を繰り返すことになり、根本的な解決には至りません。

当院では、ただ悪くなった部分を削って詰めるだけの治療ではなく、「なぜ虫歯になってしまったのか」という原因そのものを突き止め、大切な天然の歯を未来へ守るための治療を大切にしています。

この記事では、「毎日磨いているのに虫歯になる理由」を科学的に解き明かす「唾液検査(サリバテスト)」の仕組みと、当院が導入しているオーダーメイドの予防プログラムについて、分かりやすくお話しします。この記事をお読みいただくことで、虫歯を繰り返す連鎖を断ち切り、ご自身の歯を守るための本当の予防法が見つかるはずです。

 

目次

 

1. 「毎日磨いているのに虫歯になる」のには科学的な理由がある

「虫歯は甘いものを食べてん、ハブラシをサボるからできるもの」と思われがちですが、それは虫歯の原因のほんの一部に過ぎません。虫歯(う蝕)が発症し、進行していく背景には、実は複雑に絡み合う「4つの因子」と「時間」という原因が存在します。

  • 細菌: お口の中に潜む、虫歯のきっかけを作るミュータンス菌などの数や強さ。
  • 糖質(食事): 食べ物や飲み物に含まれる糖分の量や、それを口にする頻度。
  • 歯の質(宿主): 生まれ持った歯の質の強さや、酸に対する抵抗力。
  • 唾液の性質: 唾液が分泌される量や、お口の中の酸を中和して元に戻す能力。

虫歯は、プラーク(歯垢)の中にいる細菌が食べ物の糖分をエサにして「酸」を作り出し、その酸によって歯の表面(エナメル質)が溶かされる(脱灰)ことで始まります。

日常の生活の中では、溶かされた歯の成分が唾液の働きによって元に戻る「再石灰化(さいせっかいか)」という修復作業が常に行われています。
しかし、「生まれつきお口の中の虫歯菌の数が異常に多い」「食事の回数が多く、歯が休まる時間がない」「酸を中和する唾液の力が弱い」といった悪条件が重なり、お口の中が酸性に傾いている「時間」が長くなると、再石灰化が追いつかなくなり、虫歯として穴が空いてしまうのです。

つまり、どんなに一生懸命に歯磨きをして細菌を減らそうとしていても、他の因子のリスクが高い状態のまま放置されていれば、虫歯を防ぎきることは困難になります。「毎日磨いているのになぜ?」という疑問の答えは、まさにこのブラッシングだけではカバーしきれない「目に見えないリスクのバランス」にあるのです。

 

2. お口の見えないリスクを可視化する「唾液検査(サリバテスト)」とは?

では、ご自身のお口の中にどのようなリスクがどれくらい隠れているのかを知るにはどうすれば良いのでしょうか。そのための最も確実な方法が、当院で行っている「唾液検査(サリバテスト)」です。

唾液は、お口の中の食べかすを洗い流し、酸性に傾いた環境を中性に戻し、溶け出したカルシウムなどの成分を歯に戻すという、虫歯予防において非常に強力な「天然のうがい薬」としての役割を担っています。

当院の唾液検査では、実際に患者様の唾液を少量採取させていただき、科学的なデータとして以下の項目を詳しく調べます。

  • 唾液の量: 汚れをしっかりと洗い流すのに十分な量の唾液が出ているか。
  • 唾液の緩衝能(かんしょうのう): 食事によって酸性に傾いたお口の中を、どれくらい早く安全な状態(中性)に戻せる力があるか。
  • 虫歯菌の数: 虫歯のきっかけを作る「ミュータンス菌」や、虫歯を奥へと進行させる「ラクトバチラス菌」が、お口の中にどれくらい住み着いているか。

検査自体は、味のないガムを噛んでいただき、出てきた唾液を測定するだけの、痛みも一切ない簡単なものです。
(※正しい結果を得るために、ご来院直前の激しい運動や、1時間以内の飲食・喫煙・歯磨き、5〜6時間以内の殺菌効果のある洗口液の使用などは避けていただく必要があります)

この検査を行うことで、「ハブラシの当て方が悪いのか」「唾液の力が足りないのか」「間食のタイミングに問題があるのか」という、あなたが虫歯になってしまう本当の根本原因が数値としてハッキリと可視化されます。原因という「敵の正体」が分かれば、やみくもに磨くのではなく、「フッ素の濃度を上げる」「お茶を飲む習慣をつける」といった、あなただけに効果のある的確な予防アプローチを打つことが可能になります。

 

3. 科学的根拠に基づくオーダーメイド予防「MTM」というアプローチ

当院では、虫歯を見つけては削って詰めるという従来の対症療法を繰り返すのではなく、病気を未然に防いで健康な口腔環境を維持するための「メディカルトリートメントモデル(MTM)」という診療体系を採用しています。

MTMとは、先ほどご紹介した唾液検査(サリバテスト)をはじめ、レントゲン撮影、口腔内写真の撮影、歯や歯垢(プラーク)の状態、歯周ポケットの深さの測定など、初診時にさまざまな医療データを徹底的に収集し、科学的根拠に基づいてお口のリスクを総合的に評価する方法です。

虫歯や歯周病の原因、そして進行状態はお一人ひとり全く異なります。
だからこそ当院では、すべての患者様に同じような歯磨き指導やクリーニングを行うのではなく、集めたデータをもとに「患者様お一人ひとりのリスクに合わせた、完全オーダーメイドの予防治療計画」を立案します。

一時的に痛みを止めるだけの治療は、長期的には歯の寿命を縮めてしまいます。「治したら終わり」にするのではなく、再発の土壌となる清掃習慣、食習慣、噛み合わせのストレスなどを科学的なアプローチで整えることこそが、将来にわたって多くの天然歯を健康に残すための世界標準の予防スタイルなのです。

 

4. 【院長解説】ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加の予防治療の流れ

科学的根拠に基づいた当院の予防プログラムは、患者様にお口の現状を正しく知っていただき、ご納得いただいてから二人三脚で進めてまいります。

STEP1:初診・精密検査

まずは患者様のお悩みやご希望を丁寧にお伺いします(※強い痛みがある場合は、その緩和を優先した応急処置を行います)。その後、お口の全体像を把握するためのレントゲン撮影や口腔内写真の撮影、歯周組織の検査とともに、虫歯リスクを調べる「唾液検査(サリバテスト)」を実施します。また、担当の歯科衛生士が現在の磨き方の癖を確認し、適切なブラッシング方法(TBI)の指導を始めます。

STEP2:検査結果のご説明と治療計画の立案

2回目のご来院時に、収集したすべてのデータと唾液検査の結果を分かりやすくご説明します。初診時の環境と比べて何が虫歯や歯周病の原因になっているのかを科学的に解説し、今後の最適な治療計画と、健康を維持するためのメンテナンスの必要性についてお話しします。

STEP3:初期治療(プロフェッショナルケア)

治療計画に同意をいただいたら、初期治療を開始します。ハブラシだけでは決して除去できない、歯肉の溝の中に隠れている歯垢や歯石を丁寧に取り除きます(歯周治療)。
さらに、歯科医院で行う専門的なクリーニングである「PMTC」を行います。当院では、微細なパウダーをジェット水流で歯に吹き付ける最新の「エアフロー」を使用しています。これにより、大切な歯の表面を傷つけることなく、頑固な細菌の膜(バイオフィルム)や着色汚れをしっかりと優しく取り除きます。仕上げに高濃度のフッ素を塗布し、酸に負けない強い歯に整えます。

STEP4:再評価と必要な治療

初期治療が終了した段階で、お口の環境がどれくらい改善されたかを再度検査して評価(再評価)します。お口の中の環境が清潔に整ったこの安全な段階で、もし治療が必要な虫歯などがあれば、必要最小限の範囲だけを選択的に削る精密な治療を行います。

STEP5:定期的なメンテナンスの継続

すべての治療が完了し、健康なお口の環境が整ったら、その良い状態を維持するための「メンテナンス(定期検診)」へと移行します。患者様のリスクの高さに応じて、3〜6ヶ月などの適切な間隔をご提案し、定期的なプロのクリーニング(エアフロー・フッ素塗布)とホームケアの確認を続けていきます。

 

5. まとめ:自分のリスクを知ることが、一生美味しい食事を楽しむための第一歩

歯は、皮膚や爪のように一度傷ついたり削ったりしても、自力で元通りに再生することはできない器官です。どんなに歯科医療が進化し、見た目が美しく精密なセラミックの被せ物やインプラントを入れたとしても、生まれ持った天然の歯の素晴らしさに勝るものは絶対にありません。

「毎日磨いているのに虫歯になってしまう」と落ち込む必要は全くありません。それは磨き方が悪いのではなく、まだご自身のお口の「本当のリスク」に合った正しいケアに出会えていないだけかもしれないからです。
唾液検査を受けてご自身のリスクを数値として正しく知ることは、大切な歯を一生涯守り抜くための、最も理にかなったスタートラインになります。

「しばらく歯医者に行っていないから、虫歯がたくさん見つかったら怖いな」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは患者様を叱るようなことは決してありません。お口の健康を守りたいと願うみなさまの気持ちに寄り添い、必要な処置を、必要な分だけ、納得のいく形でサポートいたします。

もし、草加で科学的根拠に基づいた予防治療や唾液検査についてのご相談なら、ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加へお任せください。
担当の歯科医師・歯科衛生士が、あなただけの特別な予防プランをご用意して、みなさまのご来院を心よりお待ちしております。お口をスッキリとリセットして、心地よく健康な毎日を一緒に作っていきましょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

草加市草加駅東口から徒歩5分の歯医者・歯科
ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加
住所:〒340-0016 埼玉県草加市中央2-2-17-2
TEL:048-951-3210

 

監修者

ラウレア歯科クリニック 院長 伊藤 洋平

伊藤 洋平 | Yohei Ito

明海大学歯学部卒業後、大学病院での研修を経て、複数の医療法人歯科医院にて臨床経験を積む。2017年に「ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加」を開院。地域に密着した“予防重視”の診療を軸に、幅広い世代の患者に寄り添う歯科医療を提供している。

【略歴】

【所属学会】

【資格】

【所属スタディグループ】

【出版・執筆歴】

  • ・平成28(2016)年:デンタルダイヤモンド1月号「他医院で行われたインプラント補綴のリカバリー症例」
  • ・GO会30周年記念誌「埋伏歯をMTMを用いて挺出させた1症例」

【学会発表】

  • 平成26(2014)年:顎咬合学会ポスター発表「セファロ分析 トレースを極める」
  • 平成27(2015)年:顎咬合学会ポスター発表「治療用義歯を用いた上下顎総義歯症例」
  • 平成30(2018)年:第8回ワールドデンタルショー出展セミナー「外傷した上顎前歯部に対しMTMを用いた一症例」

【参加講習会】

  • ・UCLA「インプラント時代におけるピュア・ペリオ」
  • SBC(サージカルベーシックコース)

その他多数

ラウレア歯科矯正歯科クリニック

TAGタグ