お子様の「お口ポカン(口呼吸)」は要注意!歯並びや全身の健康に与える影響とMFT(お口の筋トレ)
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みなさま、こんにちは。
ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加、院長の伊藤です。
ご自宅でお子様がテレビを見ているときや、ゲームに集中しているとき、ふと気がつくと「お口がポカンと開いたままになっている」ことはありませんか?
「ただのクセかな?」「まだ小さいから仕方がないのかな」と見過ごされがちですが、実はこの「お口ポカン(口呼吸)」は、現代の子どもたちに非常に増えている深刻なお口のトラブルのサインです。
本来、人間は鼻で息をする「鼻呼吸」が正しい状態です。日常的に口で息をする習慣がついてしまうと、むし歯になりやすくなるだけでなく、顎の健やかな発育が妨げられ、将来の歯並びや顔立ち、さらには全身の健康にまで大きな悪影響を及ぼすことがわかっています。
この記事では、なぜお子様が「お口ポカン」になってしまうのかという原因から、放置することで起こるリスク、そして当院が力を入れている「MFT(口腔筋機能療法=お口の筋トレ)」や予防矯正のアプローチについて、詳しくお話しします。
目次
1. うちの子は大丈夫?「お口ポカン(口呼吸)」セルフチェックリスト
お子様が普段、鼻と口のどちらで呼吸しているかを見分けるのは、意外に難しいものです。まずは以下の項目にお子様が当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
【お口ポカン・口呼吸のサイン】
- □ テレビを見ているときや遊んでいるとき、いつも口が半開きになっている
- □ 唇がカサカサに乾燥して荒れやすい(特に上唇がめくれ上がっている)
- □ 寝ているときにいびきをかいたり、歯ぎしりをしたりする
- □ 朝起きたときにお口の中が乾いている、または口臭が気になる
- □ 食事のときに「クチャクチャ」と音を立てて食べる
- □ 硬い食べ物を嫌がり、柔らかいものばかり好んで食べる
- □ 飲み込むときに、舌が前歯の間からチロッと見える
- □ 前歯の歯茎が赤く腫れぼったくなっている
- □ 猫背で姿勢が悪く、いつも顎が前に出ている
これらの項目に2つ以上当てはまる場合、お子様は日常的に「口呼吸」をしているか、お口周りの筋肉のバランスが崩れている可能性が高いと言えます。
2. なぜ口が開いてしまうのか?「お口ポカン」になる3つの原因
では、なぜ最近のお子様に「お口ポカン」が増えているのでしょうか。主な原因は以下の3つに分けられます。
▼ 1)お口周りの筋肉(口輪筋)や舌の筋力不足
現代の食生活はハンバーグやパスタなど柔らかい食べ物が中心となっており、昔に比べて噛む回数が大幅に減っています。そのため、唇を閉じるための筋肉(口輪筋)や、舌を支える筋肉が十分に発達せず、無意識のうちに口がダランと開いてしまいます。
▼ 2)鼻づまり(アレルギー性鼻炎・アデノイド肥大など)
花粉症やハウスダストによるアレルギー性鼻炎、慢性的な副鼻腔炎などによって鼻が詰まっていると、鼻で息をすることが苦しくなるため、生きるために仕方なく口を開けて息をするようになります。鼻の症状が治った後も、クセとして口呼吸が定着してしまうケースが少なくありません。
▼ 3)姿勢の悪さ(猫背・スマホ首)
タブレットやスマートフォンの普及により、幼い頃から背中を丸めて画面を覗き込む「猫背」のお子様が増えています。猫背になると頭の位置が前にズレ、気道が圧迫されるため、無意識に顎を上げて口を開け、息を吸い込もうとする体勢になってしまいます。
3. 放置は危険!口呼吸が「お顔の骨格」と「歯並び」を崩すメカニズム
「お口が開いているくらいで、どうして歯並びが悪くなるの?」と疑問に思われる親御さんも多いでしょう。実は、歯並びというものは遺伝だけで決まるのではなく、「舌」と「唇・頬の筋肉」の力のバランスによって作られます。
[正常な鼻呼吸と口呼吸のお口の中の違い]
[正常な鼻呼吸の状態]
- 舌の位置:上あごの天井部分にピタッと吸い付いている
- 唇の状態:リラックスして自然に閉じている
- 顎の成長:舌が内側から上あごを押し広げ、綺麗なU字型の歯列が育つ
- 歯並びへの影響:歯が並ぶスペースが十分に確保され、綺麗に並びやすい
[口呼吸(お口ポカン)の状態]
- 舌の位置:上あごから離れ、下の歯の裏側にダランと落ちている(低位舌)
- 唇の状態:常に開いており、前歯を外側から抑える力がない
- 顎の成長:上あごが広がらず、狭くてV字型の窮屈な骨格になる
- 歯並びへの影響:出っ歯、ガタガタ(叢生)、前歯が噛み合わない(開咬)になる
「舌は、上あごの成長を促す天然の矯正装置です。」
本来、お口を閉じているときの「舌」は、上あごの天井部分にぴったりと収まっています。この舌の力が内側から上あごを広げることで、永久歯が生えるための十分なスペースが作られます。
しかし、口呼吸になると空気の通り道を作るために、舌がだらんと下の位置に落ちてしまいます(これを低位舌と呼びます)。上あごを内側から広げる力を失う一方で、開いた口からは頬の筋肉が内側へと締め付けるため、上あごの骨が十分に成長せず、V字型に狭くなってしまいます。
その結果、大きな永久歯が並ぶ場所がなくなり、歯が重なってガタガタになったり、唇の抑えを失った前歯が前方に飛び出して「出っ歯」になったりしてしまうのです。
4. 歯並びだけじゃない!口呼吸が引き起こす全身への悪影響
口呼吸の弊害は、歯並びや噛み合わせの悪化だけにとどまりません。お口は身体の入り口であるため、全身の健康にもさまざまなリスクをもたらします。
・むし歯や歯周病(歯肉炎)、口臭のリスクが跳ね上がる
唾液には、お口の中の汚れを洗い流し、細菌の繁殖を抑え、溶けかけた歯を修復する(再石灰化)という非常に強力な守りのパワーがあります。しかし、口呼吸でお口の中が常に乾燥してしまうと、この唾液の作用が働かなくなり、丁寧に歯磨きをしていてもむし歯や歯肉炎になりやすく、お口のニオイも強くなります。
・風邪やインフルエンザ、アレルギーにかかりやすくなる
鼻は、吸い込んだ空気のゴミやウイルスを取り除き、適切な温度と湿度に調整して肺へ送る「高性能な空気清浄機兼加湿器」の役割を果たしています。
一方、口呼吸は乾燥した冷たい空気や細菌・ウイルスをダイレクトに喉の奥へ取り込んでしまうため、扁桃腺が腫れやすく、風邪や感染症にかかりやすくなります。
・睡眠の質の低下と集中力の欠如
口呼吸のお子様は睡眠中に舌が喉の奥に落ち込みやすく、いびきや無呼吸に近い状態を引き起こすことがあります。脳や身体が十分に休まらないため、日中にボーッとして集中力が続かなかったり、発育に影響が出たりすることも指摘されています。
5. お口の筋トレ「MFT(口腔筋機能療法)」とマイオブレース矯正
「お口を閉じなさい!」と毎日お子様を叱っても、そもそもお口を閉じるための筋肉が育っていなければ、お子様自身もどうすればいいのか分かりません。
そこで当院では、歯並びが悪くなる根本的な原因(口呼吸・舌のクセ・飲み込み方の異常など)にアプローチするため、「MFT(口腔筋機能療法)」と小児予防矯正「マイオブレース」を組み合わせた治療を行っています。
【MFT(口腔筋機能療法=お口の筋トレ)とは?】
食べる、飲む、話す、呼吸するといったお口周りの筋肉(舌、唇、頬など)のバランスを整え、正しい機能を身につけるためのトレーニングプログラムです。
1)正しい舌のポジションを覚える練習
普段リラックスしているときに、舌の先が上あごの正しい位置(スポット)に自然と収まるよう、舌の筋肉を鍛えます。
2)唇を閉じる力を養うトレーニング
ボタンや専用の器具を使った遊び感覚のトレーニングを取り入れ、意識しなくても自然に唇を閉じられる筋力を育てます。
3)正しい飲み込み方(嚥下)と姿勢の習得
飲み込むときに舌で前歯を押してしまうクセを直し、正しい呼吸ができるよう背筋を伸ばした姿勢や体幹のバランスも一緒に整えていきます。
さらに、6歳前後からの成長期のお子様には、日中の1時間と就寝中に柔らかいマウスピース型装置を装着する「マイオブレース矯正」をご提案しています。ワイヤーで無理やり歯を並べるのではなく、MFTとマウスピースによって顎の正しい成長を促し、本来の美しいお顔の骨格と歯並びへと導く治療法です。
6. 子どもの口呼吸・お口のクセに関するよくあるご質問(Q&A)
Q. 何歳くらいからMFTや口呼吸の相談ができますか?
A. 本格的なマイオブレース矯正は5〜6歳頃からが目安となりますが、お口のクセや口呼吸の予防は0歳〜3歳の乳幼児期からスタートできます。年齢や発達段階に合わせて、離乳食の食べさせ方やご家庭でできる簡単な遊び(風船膨らましやブクブクうがいなど)をアドバイスいたしますので、気になった時点でいつでもご相談ください。
Q. 鼻炎で耳鼻科に通っていますが、歯科でのトレーニングも並行できますか?
A. はい、可能です。ただし、鼻が完全に詰まっている状態で無理に口を閉じさせると息ができなくなってしまいますので、まずは耳鼻咽喉科での鼻炎治療を優先、あるいは並行していただきながら、鼻で息ができる環境を整えつつお口のトレーニングを進めていきます。
Q. 子どもがトレーニングを毎日続けられるか心配です。
A. 当院では、お子様が「やらされている」と感じないよう、スタッフと一緒に楽しく取り組める工夫をしています。また、月に1回のお子様歯並び相談会や親子イベントなども開催し、ご家族皆様で楽しくモチベーションを保てるようサポート体制を整えております。
7. まとめ:正しい呼吸とお口の機能は、お子様への一生モノの贈り物
お子様の「お口ポカン」は、単なるだらしないクセではなく、「お口の筋肉や呼吸がうまく使えていないよ」という身体からのSOSサインです。
顎の骨が柔らかく、成長発育のエネルギーに満ちあふれている子ども時代だからこそ、正しい呼吸と舌の位置を身につけることで、抜歯や大掛かりな矯正治療をせずに、健康的で美しい歯並びを手に入れられる可能性が大きく広がります。
「うちの子、いつも口が開いているかも」「将来の歯並びが心配」と少しでも気になることがございましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
お子様の健やかな成長と輝く笑顔のために、私たち専門スタッフと一緒に、今日からできる一歩を始めてみましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
草加市草加駅東口から徒歩5分の歯医者・歯科
『ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加』
住所:〒340-0016 埼玉県草加市中央2-2-17-2
TEL:048-951-3210
監修者
伊藤 洋平 | Yohei Ito
明海大学歯学部卒業後、大学病院での研修を経て、複数の医療法人歯科医院にて臨床経験を積む。2017年に「ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加」を開院。地域に密着した“予防重視”の診療を軸に、幅広い世代の患者に寄り添う歯科医療を提供している。
【略歴】
- 昭和57(1982)年 青森県青森市 生まれ
- 平成19(2007)年 明海大学歯学部 卒業
- 平成19(2007)年 明海大学病院 研修医
- 平成20(2008)年 同病院 研修修了
- 平成20(2008)年 医療法人豊尋会 霞ヶ関歯科 勤務
- 平成24(2012)年 医療法人社団源会 たのうえ歯科医院 勤務
- 平成29(2017)年 ラウレア歯科矯正歯科クリニック草加 開院
【所属学会】
【資格】
- ・日本顎咬合学会 認定医
【所属スタディグループ】
- ・GO会
- ・いいづな総合歯顎研究会
- ・Think Twice
- ・Takei-Kawazu Japan Dental Study Club
- ・ドミサイル矯正
- ・天王洲小川会
【出版・執筆歴】
- ・平成28(2016)年:デンタルダイヤモンド1月号「他医院で行われたインプラント補綴のリカバリー症例」
- ・GO会30周年記念誌「埋伏歯をMTMを用いて挺出させた1症例」
【学会発表】
- 平成26(2014)年:顎咬合学会ポスター発表「セファロ分析 トレースを極める」
- 平成27(2015)年:顎咬合学会ポスター発表「治療用義歯を用いた上下顎総義歯症例」
- 平成30(2018)年:第8回ワールドデンタルショー出展セミナー「外傷した上顎前歯部に対しMTMを用いた一症例」
【参加講習会】
- ・UCLA「インプラント時代におけるピュア・ペリオ」
- ・SBC(サージカルベーシックコース)
その他多数
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